メタフロンティア 様
代表 柴田 賀昭 様
放送・映像メディア業界において、HD化や地上デジタル放送への完全移行が一段落しつつある今、次の大きなトレンドとしてのファイルベース運用、いわゆるテープレス化への取り組みが本格的に始まろうとしています。
映像制作の第一ステップであるいわゆる「撮り」の部分においては、遂にほとんどの業務用カムコーダがファイルベース記録を採用することとなり、IT技術の驚くべき進歩にともなう記録メディアの価格低下も相まって、その勢いは留まることを知りません。
一方、海外に眼を向けてみますと、HD化に先行してファイルベース運用への取り組みを始めた欧米各国の放送局では、「撮り」から「送出」、「アーカイブ」に至るまで、既に完全なファイルベース・ワークフローに移行済みのところも散見されます。
日本国内でも最近、MXF及びXMLをベースとした番組交換フォーマット(ARIB TR-B31)が、(社)電波産業会(ARIB: Association of Radio Industries and Businesses)によって策定され、ファイルベース運用の本格化に向けた準備が整いつつあります。
ただ欧米での先行事例を見るに、単にひとつの局内あるいは単一ベンダに閉じられたシステムを構築する場合はともかく、異なる放送局間での相互運用を本格的に図りたい、あるいはそれぞれの強みを活かすべくマルチベンダにてシステムを構築したいなどといった場合、事はそう一筋縄にはいかず、それ相当の試行錯誤が求められることは想像に難くありません。
しかしながら全ての技術がそうであるように、その新たな展開とは、果敢なるチャレンジ精神をもったユーザと、その要求を真摯に捉えそれに応えていく技術陣とが互いに切磋琢磨していく中で初めて実現されていくものです。
幸いなことにファイルベース運用においては、先行する欧米にて業界を挙げて既に様々な試行錯誤がなされており、また国内の幾つかのキー局においても既に果敢なるチャレンジが実施されつつあります。このことから、日本国内に閉じ籠もることなく広く外に眼を向けてその動向に着目し、また国内ではユーザ、ベンダを超えたかたちで、それぞれがその期待役割や専門性を如何なく発揮しつつ密接に協業することこそが、従来システムに比べて格段に便利になったと映像制作者が実感できるシステムを実現する上での鍵になると考えます。
わたしたちメタフロンティアは、これまでに培ってきたファイルベース運用の関連技術に関する深い技術知識と幅広い経験、そしてワールドワイドな人的ネットワークを最大限に活用し、放送・映像メディア業界におけるファイルベース運用の発展と普及に力強く貢献してまいりたいと考えています。